「身体を整えて」から「動く」ことで「コンディショング、ライブパフォーマンス」を高め、快適な毎日を過ごせるように、セッション(手技×マシンピラティス)をご提供しています。
・本記事から得られるもの、理解できる事
〇「姿勢」について理解できる
〇「ピラティスと姿勢の関係」について理解が深まる
それでは、さっそく解説していきます!
今回はピラティスで姿勢が改善する理由を3つに絞って解説を進めていこうと思います。結論から先に書かせて頂きますが①体性感覚が向上する②前庭覚が活性化する③視覚機能の一部が改善するという3点が非常に大きな理由となります。今回は以上の3点を解説していきますが、その前に姿勢とはこの3点がどのように絡んでいるのかを次の項目から解説していこうと思います。
<姿勢とは>
姿勢は冒頭でもご説明していますが①体性感覚②前庭覚③視覚の3要素が複雑に絡むことで構成されています。それではさっそく体性感覚から解説を進めていきます。まず体性感覚というのは、触圧覚・温/冷覚・痛覚(ここまでを表在感覚と呼びます)や位置覚・運動覚・筋の伸張/張力感覚(以上を深部感覚or固有受容感覚と呼びます)をまとめて体性感覚と呼ばれています。
例えばですが机の上に水が入ったペットボトルやコップがあるとします。皆さんが作業の合間に水を飲もうとした時、「さっきこの辺りに置いたなー」と記憶を頼りに目で確認せずとも、腕を伸ばしてペットボトルを掴めるのは上記の体性感覚が適切に働いているからということです。逆に言えば同じようなことをして何度もペットボトルを倒してしまう方は、何かの要因で体性感覚が機能低下しているかも知れないということになります。
次は前庭覚についてですが、こちらに関してはバックナンバーにある「前庭機能について」という記事に細かく書いていますので、そちらも参考にして頂ければと思います。今回の記事では軽いおさらい程度となりますが解説させて頂きます。前庭覚の中でも内耳という耳の奥にある、蝸牛・耳石器・三半規管が重要な器官となります。特に耳石器と三半規管の2つが身体の動いた方向や傾きを検知して崩れた姿勢を調整する機能があります。

図1.三半規管と蝸牛
こちらの前庭機能が働く場面としては、自分が前へ歩いている時に後ろから声をかけられて振り向く瞬間が想像しやすいかと思います。そのような場面では後ろに振り向いた瞬間、外側半規管が強く働き、頭を身体の真ん中に保とうとする機能が働きます。もし私たちの身体にこの機能が搭載されていなければ、振り向く度にバランスを崩して転倒してもおかしくないため、日常生活を送る上で非常に重要な機能の1つになります。
最後に視覚についてですが、こちらも体性感覚と同様に様々な要素で構成されるものになります。視覚に関わる要素は全部で6つあり1.視力(物の形を見分ける能力)2.視野(視覚を広く見る能力)3.光覚(光を感じる能力)4.両眼視(立体的に物を見る能力)5.色覚(色を見分ける能力)6.調節力(遠方から近い物までを見るための調節をする能力)の全てを合わせて視覚と表現されています。
さらに視覚は前庭覚とも協働するため個別で機能を考えることが難しいのですが、イメージが付きやすいのは、自分が立っているor歩いている場所が平坦/坂道/凸凹道なのかを目で見て理解することで「これぐらい筋肉に力が入っていれば安定するな」というのを導き出すような瞬間が思いつきます。この機能が低下していると、平坦だと思った道が実は坂道で歩いている時に躓くなど、転倒に繋がりかねないことが理解できるかと思います。
次の項目からは本題である、なぜピラティスを行うことで姿勢が改善するのかを以上の3要素から、エクササイズも例として挙げながら解説していこうと思います。
<ピラティスで姿勢が改善する理由>
それでは姿勢に関しての理解が深まった所で、ピラティスを実践するとなぜ姿勢が改善するか、先ほどの項目でも説明している3つの要素から深掘りしていきましょう。はじめにイメージが付きやすい体性感覚の変化について解説を進めていきます。体性感覚は私たちの基本動作である、歩く・立つ・座るなどの動きでも常に刺激されています。ですがピラティスエクササイズを実践すると、日常生活において使うことが少なくなっている筋肉・関節へ大量の刺激を送ることが出来ます。
刺激を送る対象としては筋肉や関節がメインとなりますが、その理由としては筋肉と関節には体性感覚を感知するための、”固有受容器”と呼ばれる知覚センサーが豊富に存在していることが大きな要因になります。つまり私たちが何気なく「筋肉を鍛えましょう」と呼んでいる正体の1つは「固有受容器を鍛えましょう」と言い換えることが出来るのです。
ここまでを読むと「じゃあ身体を動かせば、どんなエクササイズでも良いでしょ?」と思う方がいるかもしれません。もちろん、身体を動かすことで常に体性感覚は刺激されているため、どのようなエクササイズを選択しても良いですし身体を動かすことが最も重要です。
ですが私自身の考えにはなりますが、その中でもピラティスエクササイズがおすすめだと考えています。ではなぜここまでピラティスエクササイズをおすすめするかと言うと、固有受容器というセンサーは「対象の筋肉/関節を大きく動かした時に活性化しやすい」という特性があるからです。
例えば図2のフットワークというエクササイズでは、膝~足首にある固有受容器を中心に刺激していますが、日常生活において最大可動域で足首を使うことは滅多に無いのでは無いかと思います。例えば、洗濯物を身長よりも高い所に干す時などは限りなく近い動作になると思いますが、なかなかそのような場面は少ないと思います。さらに言えば、そのような動作を実施する時でも人によっては、荷重を足の内側/外側にかけるといったクセも出てしまいます。

図2.フットワークエクササイズ
現場でピラティスエクササイズを指導する際は、上記のようなクセにおいても適宜修正を加えながら実践して、その方の足関節が機能的に働けるようにしていきます。結論として数ある運動の中でも、ピラティスは身体を大きく動かすエクササイズが多いため体性感覚を刺激するのに打ってつけだと考えています。
次は前庭覚についてですが、前庭覚を刺激するには頭を動かすことや上下・左右の移動を行うことが効果的であると、この記事を読んでいる皆さんであれば理解できていることかと思います。これについては方法が様々あるのですが、1つオススメなのは図2でも使ったリフォーマーを駆使してピラティスエクササイズを行うことが挙げられます。例えばですが、図3にあるようなトールニーリングツイストも前庭機能を刺激する方法となります。

こちらの運動は下のキャリッジ(レールの付いたベッドだと考えてください)が動くため、前庭機能の低下が著明なケースでは身体の緊張が強くなり、運動が円滑に出来ないことが現場で良く見られます。このエクササイズは横方向へ動くことで、耳石器の卵形嚢が主に刺激されており、姿勢を改善する要素が含まれた運動の1つになります。
そして最後に視覚機能についてですが、視覚機能は先ほどまで説明していた前庭覚と協力して働くという特性もあり、個別に刺激をするのは難しい部分もあるのですが図3のエクササイズを良く見てもらうと、頭を動かさずに目線で指を追いかけているのが分かると思います。このように頭を動かさずに目線を上下・左右~斜め方向の様々な方向へ動かすことで視覚を強調して刺激することで、姿勢の変化を促すエクササイズとなります。
以下は本当に簡単なまとめとなりますので、お時間がある方はそちらも目を通して頂ければ幸いです。ここまででも長い記事になってしまいましたが、読んで頂きありがとうございました。いったん失礼します。
<まとめ>
いかがでしたでしょうか。今回はピラティスで姿勢が改善する理由3選について解説させて頂きました。前提として、姿勢はどのような機能が絡み合って構成されているのかを書かせて頂き、ピラティスエクササイズが姿勢を変化させる理由について深掘りしていきました。今回の記事が少しでも皆さん自身のコンディショニング向上に役立てば幸いです。大変長い記事になってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。失礼いたします。
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