「身体を整えて」から「動く」ことで「コンディショング、ライブパフォーマンス」を高め、快適な毎日を過ごせるように、セッション(手技×マシンピラティス)をご提供しています。

・本記事から得られるもの、理解できる事

〇「ピラティスにおける呼吸」について理解が深まる

〇「呼吸エクササイズ」を知ることが出来る

それでは、さっそく解説していきます!

今回は「ピラティス初心者にオススメ~呼吸エクササイズ3選~」というタイトルで、ピラティスにおける呼吸について解説していきたいと思います。ピラティスを始めたばかりの方からは、「ピラティスは呼吸を意識すれば良いんですよね」や「呼吸を意識すると力が入ってしまいます」といった声を聞くことがあります。普段、私たちは呼吸をほとんど無意識に行っています。そのため、運動中に「呼吸を意識してください」と言われると、急に難しく感じてしまうのも不思議ではありません。

結論から言えば呼吸において1番重要なのは、息を吐き切ることが最も重要であると理解して頂ければと思います。他に参考になる所で言えば、過去記事の「力を抜くってどういうこと?」でも解説していますが、身体の力を抜くためにはまず現在、自分の身体がどのような状態なのかを感じ取ることが大切であり、呼吸も同じことが重要となります。

「正しい呼吸をしなければ」と頑張るのではなく、まずは自分がどのように呼吸しているのかを感じることから始めてみましょう。今回の記事では、私がピラティス初心者の方へオススメしている呼吸エクササイズを3つ紹介していきます。

今回も個人的な見解を含んだ内容になりますので、あくまで一つの参考として読んで頂ければと思います。それでは、さっそく解説していきましょう。

<ピラティスにおける呼吸の役割>

まずは、ピラティスにおいて呼吸がどのような役割を持っているのかについて考えてみましょう。呼吸というと、「酸素を身体へ取り込むために必要なもの」というイメージを持たれる方が多いかと思います。もちろん、それは呼吸の大切な役割の一つです。

しかしピラティスではそれだけではなく、呼吸を意識することで自分の身体の状態を確認することに繋がります。例えば、身体に力が入りすぎている時には呼吸が浅くなったり、息を止めてしまったりすることがあります。反対に、ゆっくりと呼吸を行うことで、肩や首などに入っていた力に気付きやすくなる場合もあります。

そのため私は、初心者の方に呼吸を説明する際、「きれいに呼吸をすること」だけを目的にするのではなく、呼吸を使って自分の身体を感じてみることも大切だと考えています。特に運動を始めたばかりの方であれば、いきなり難しいピラティスの動きを覚えるよりも、まず呼吸に目を向ける時間を作ることで、身体への興味を持つきっかけになるかもしれません。

それでは、ここから実際に呼吸エクササイズを紹介していきましょう。

<呼吸エクササイズ① 4ヶ月ポジション>

それでは、実際に呼吸を意識しながら行えるエクササイズを3つ紹介していきたいと思います。まず初めに紹介するのは4ヶ月ポジションです。

このエクササイズは赤ちゃんの発育・発達過程で見られる姿勢をもとにした呼吸エクササイズとなります。仰向けで後頭部~肩甲骨~胸腰椎移行部(ザックリと腰周辺だと理解してください)を地面に接地した状態で股関節・膝・足関節を90°曲げた基本姿勢を取ります。

その状態でゆっくりと呼吸を繰り返すという非常にシンプルなエクササイズの1つです。基本的なエクササイズの1つでありながら、様々なバリエーションが作れます。例えば、図1の右図にあるようにバランスボールを使用し、呼吸+運動制御という負荷を調節する方法で実施することも可能です。

ですが初心者の方は、動きに集中することで息を止めてしまう場合が多く、また身体を安定させようとして背中全体を無理やり地面に着けようとするといった、基本姿勢を維持することも難しい事が多いです。そのためまずは基本姿勢で呼吸を続けられるか、呼吸を続けられるようになってきたら、以下に続く呼吸エクササイズと併用できるかを意識してみて下さい。
 

図1.4ヶ月ポジション

<呼吸エクササイズ② リブケージアーム>

次に紹介するのはリブケージアームです。リブケージアームでは、仰向けの状態から腕を頭の方向へ動かしていきます。一見すると腕を動かすだけの簡単なエクササイズに感じるかもしれませんが、呼吸を組み合わせることで、自分の身体に入っている余計な力に気付きやすくなります。

例えば、腕を動かそうとした時に肩がすくんだり、首に力が入ったり、呼吸が浅くなったりすることがあります。そのような場合には、腕を大きく動かす必要はありません。呼吸が無理なく続けられる範囲で腕を動かすことから始めてみてください。

また、腕を動かすことによって胸郭の動きがどのように変化するのかを感じてみるのも良いでしょう。「腕を動かすと呼吸がしにくくなる」「肩に力が入りやすい」といった自分の特徴に気付くことが、このエクササイズの一つの目的になります。
 

図2.リブケージアーム

<呼吸エクササイズ③ デッドバグ>

最後に紹介するのはデッドバグです。デッドバグは、仰向けの状態で手足を動かしながら、身体をコントロールしていくエクササイズです。今回紹介する3つの中では、呼吸と身体の動きを組み合わせる難易度が少し高くなります。手足を動かしている時に、呼吸を止めずに続けられるかを確認してみましょう。

特に初心者の方では、脚を動かそうとすると腰を反らせたり、身体を安定させようとして息を止めたりすることがあります。そのような場合には、手足を大きく動かすことよりも、呼吸を続けられる範囲で動きを小さくすることをオススメします。

デッドバグでは、呼吸をしながら手足を動かすことで、身体を安定させるための力と、必要以上に入っている力を自分で調整する練習にも繋がります。これまで紹介したペルビックカールやアームアークで呼吸を意識することに慣れてきたら、ぜひこちらにも挑戦してみてください
 

図3.デッドバグ

<最初は上手くできなくても大丈夫です>

ここまで3つの呼吸エクササイズを紹介してきましたが、最初から上手にできる必要はありません。「呼吸を意識したら動きが分からなくなった」、「逆に身体へ力が入ってしまった」このようなことも十分に起こります。むしろ、今まで無意識に行っていた呼吸へ意識を向けているからこそ、難しく感じることもあります。

私自身は、呼吸エクササイズを行う時に「正しくできたか」だけを評価する必要はないと考えています。例えば、「今日はいつもより呼吸がしやすかった」、「肩に力が入っていることに気付いた」というような小さな変化に気付くことも、十分に意味があります。

身体を意識することと同じように、呼吸もまずは自分の身体に興味を持つところから始めてみてください。

<まとめ>

いかがでしたでしょうか。今回は、ピラティス初心者の方へ向けて、呼吸エクササイズを3つ紹介させて頂きました。ピラティスでは呼吸が重要と言われることが多いですが、「正しい呼吸をしなければ」と考えすぎてしまうと、かえって身体へ力が入ってしまうことがあります。まずは自分がどのように呼吸をしているのかを感じる。そこから少しずつ身体の動きと呼吸を合わせていく。そして最終的に、マットピラティスの動きの中でも呼吸を意識できるようにしていく。

このように段階を踏んで練習していくことを、私はオススメしています。今回紹介した呼吸エクササイズも、無理に長時間行う必要はありません。「数回だけやってみよう」と短い時間から始めてみるだけでも十分です。バックナンバーである「力を抜くってどういうこと?」でも解説したように、身体の力を調整するためには、まず自分の身体がどのような状態なのかを感じ取ることが大切です。

今回の記事が、呼吸を通して自分の身体へ目を向けるきっかけになれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。それでは失礼いたします。

Basis~からだのメンテナンススタジオ~ 新田

参考引用文献

1) Clare Frank, Pavel Kolar et al.: DYNAMIC NEUROMUSCULAR STABILIZATION & SPORTS REHABILITATION.: Int J Sports Phys Ther.: 2013 Feb;8(1).: 62-73.